「ある初夏、わたしは主人と出会い、今となっては馬鹿馬鹿しい一悶着の後に、彼女の奴隷となった。革命を志向していたわたしの生は、主人とともにあるように作り替えられた」

　荻浦嬢瑠璃（おぎうらじょうるり）、革命志願の中学生にして「敗北鑑定者」。しかし彼女は、絶対的な主人・飛鳥井全死のために革命を志し、勝利者の王国を模索しながらも、「敗北者」の群れの中で、まだ「何ものでもない」。

　学園の中である種の権力を維持しつつ、少しばかり奇矯な日常に埋没してゆく日々。主人にとって有益な存在であることを模索する日々。
　そんな沈鬱な日々が、転校生との出逢いを契機として変容してゆく。それは音もなく忍び寄る《戦争》の影であり、同時に革命への道程が、そして主人へと繋がる一本の道が拓かれる予兆でもあった。

　まだ「普通の人 / Background Noise」の中学生・荻浦嬢瑠璃の《革命戦争》の軌跡――
『飛鳥井全死は間違えない』より2年余。「敗北しない少女」が彷徨する、血と炎のガール・ミーツ・ウーマン・ストーリーが遂に登場！

　プロローグ
　第一章 敗北者の群れの中で1
　第二章 敗北者の群れの中で2
　第三章 輝ける未来に敵対するもの
　第四章 勝利者の王国
　エピローグ